Q1. 相続税対策の必要性を感じていますが、今まで無策で何もしていません。相続税対策の手順について教えて下さい。
A1. 概ね次の手順により進めていきます。
- 現状把握の為の財産調べ
- 概算の相続税を計算します。
- 相続税納税資金の確認
- 遺産分割の検討(遺言書の作成)
- 納税資金対策(納税資金を効率的に相続人に蓄える仕組みづくり)
- 収益物件の所有者を相続人に移動する。
- 生前(現金)贈与
- 生命保険の加入
- 相続税の節税対策を検討します。
- 養子縁組
- 遊休地の有効利用(収益物件の建築)
- 配偶者贈与(2,000万円控除)
- 不動産管理会社もしくは不動産所有会社の設立
- 相続対策の見直し
ご自身のすべての財産を詳細に把握しておられる方はまずいらっしゃらないと思います。自身が保有している財産にはどのようなものがあるのか、借入金や預り保証金等の債務はどのくらいあるのかを調べて一覧表(財産目録)にまとめます。
上記1.で作成した一覧表をもとに「今、仮に相続が発生したとしたら相続税はいくらになるか」を計算します。
(財産目録にてまとめた財産について各々税法で定められた財産評価を行い、相続税評価額を算出していく手順が重要になってきますが、これらは非常に複雑で専門的な知識を必要としますので、相続税算出の作業については資産税専門の税理士に依頼することをお勧めいたします。)
上記2.で計算した相続税概算額が手持ちの現預金&生命保険金等の金融資産合計額の範囲内であるかどうかを確認します。
範囲内であればとりあえず納税できますので一安心です。
逆に相続税概算額が金融資産合計額を上回っている場合は、今後、納税資金の手当(納税資金対策)が必要となってきます。
上記3.で相続税の納税資金が確保できていたとしても、それだけでは足りません。
相続後の遺産分割を、死後の問題として相続人任せにしておくと親族間で不要な争族問題が生じる可能税があります。
自身の財産を各相続人に対してどのように分け、承継させるのかについて意思決定しておかなくてはなりません。
この意思決定は遺言書という形で相続人に遺すことになります。
上記4.5.に抵触しない内容にて、相続税の節税対策をプランニング致します。一般的な対策の例示としては次のようなものがあります。
上記1.~6.の対策は、「一度実行したら終わり」ではありません。
相続対策実行後の収入(所得)により以後、貯蓄される資産により相続財産がさらに増加したり、年々、不動産の評価額が変動するかもしれません。
相続税法の改正により、将来の税負担額に影響が出る可能性もあります。
相続対策のプランニング以後は、その対策を実行に移していくとともに、専門家のアドバイスを受けながら、毎年その効果をチェックし、対策の修正が必要な場合は、適切な対応策を別途加えていくことが大切です。